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# Confidence
Tokoです、こんにちは。
今日は Confidence(コンフィデンス)という言葉に焦点を当ててみたいと思います。

英語というのは、英語で授業を受けたり英語で論文を書いたりすると分かるのですが、かなり論理的な言語だとわたしは思っています。あまり系統立てて研究したわけではないので単なる個人的な意見として受け止めていただきたいのですが、論点を有効に端的に説明するには日本語よりも英語が適していると思います。なので、意見が食い違った時にこちらの意図を説明するときは相手が日本人でも英語を使いたくなることがしばしばあります。逆に言うと、和文から英文のレターに翻訳させていただく際には、婉曲的な表現を好む和文の曖昧な点が許されず(わたしはそれが好きなのですが)頂戴する日本語の原文を一旦 読み砕いて、主体性のある文面に変換しなければなりません。なので、英語というのは論理的な思考に役立っているのではないかと常々感じています。

わたしにとって印象深く、いつも何故だかどことなく頭の中にある気がする言葉に、統計学用語のConfidence Interval(信頼区間)があります。それで今日、この言葉は日本語でどう説明するのかなと思ってちょっとネットで調べてみたのですが、日本語の解説はムズカシイです。統計学は多分わたしの一番 好きだった教科なのですが、それはきっと英語という言語との相性が良かったからすんなりと理解できたのかなと思いました。

ちょっと上手く説明できるか分かりませんが…母集団の姿を見極めたい時に母集団全体を調べるのは事実上 不可能なので、その母集団を近似的に表わしうると考えられる小集団(標本)を抽出して調べ、母集団の姿を推定するのが統計ですね。その際にどうしても実像とは誤差が出てしまうので、その推定値に幅を持たせた間隔のことを「信頼区間」といいます。

ここで、Confidence という言葉に立ち返りますが、この言葉も、インタビュー翻訳などで日本語に変換しなければならないときに厄介になる言葉の1つに挙げられると思います。「信頼」「信用」に始まり、「自信」「ずうずうしさ」という意味をとるかと思えば、「秘密」から転じて「〔秘密を打ち明けられる〕親密な間柄」という意味まで広がります(※ confidential で「部外秘」という意味あり)。おそらく統計学的に言えば「確実性」といった意味にもなるでしょう。

たとえば「信頼」と「信用」、言葉は似ていますが使い分けがありますよね。そういった概念を全て網羅して英語では confidence と言っているわけです。しかしそれは、裏返せば、上記の日本語に当てはまる概念が全て Confidence に集約できるとも考えられます。「信頼区間」は狭ければ狭いほど推定の確度が上がります。身の回りの出来事や人間関係に照らし合わせて一考を投じてみるのも、おもしろいかもしれません。
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# バード・ストライク
Tokoです、こんにちは。
お蔭さまで連日たくさんのご用命を賜り、私の記憶が正しければだいたい昨年11月中旬から業務のない日がない日々が続いております。。今日は珍しく今日締め切りで納品しなければならない!というファイルがないので手短で恐縮ですが一稿 書かせていただきます。

1週間程前のニュースで、フランス西部の製油所・貯蔵庫がストライキを起こし、給油所のストックが枯渇寸前ということでガソリンの販売制限を行い一般車はガソリンスタンドに入るために3時間待ちだと伝えていましたが、その後はストは解消したのでしょうか。

ストライキは、労働者の待遇改善などを訴えるための基本的権利ですから消費者・利用者の立場からは文句が言いたくても言えないというところがあります。ちなみに、「ストライキをする」は go on strike(ゴー・オン・ストライク)というのが一般的で、英語では、ストライ“キ”ではなく、ストライクと発音します。そう、野球やボーリングの strike(ストライク)と単語は同じなのです。

語源の話は…月曜担当の Ayako さんに任せるとして(?)、strike を動詞に用いる表現は、strike a pose(ポーズをとる、ポーズを決める)、strike an attitude(態度をとる)、strike a balance(バランスをとる)、strike a note(表明する)、strike a deal(取引を成立させる、協定を結ぶ)など、実は様々です。どれも日常的に色々な場面で使えそうな表現ですよね。

そして例えば、最初のstrike a pose(ポーズをとる)に形容詞を付ければ、状況に応じた描写が自在となります。Strike a victory pose, strike an attractive pose, strike a jazzy pose, strike a silly pose などなど…今後、集合写真を撮るときに友達に要求してみてください(笑)。

さてさて、今日のタイトル「 Bird-strike(バード・ストライク)」は、鳥がストを起こすとかではなく(特に飛行中の飛行機に)鳥が衝突する事を言います。2009年に奇跡的に無傷でNY州ハドソン川に不時着した飛行機の話もありますが、バードストライクに遭うと通常は大きな事故につながり、当の鳥にとっても乗客・乗務員にとっても悲劇なのです。飛行中の鳥さんには是非ストライクは避けていただきたいですね。
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# Sweet tooth
Tokoです、こんにちは。

今週末は St. Valentine’s Day を控え、おそらく世界中でチョコが一番売れる時期なのではないのでしょうか。友チョコ、義理チョコ、本命チョコに(自分に)ご褒美チョコ…甘党の皆さんは、チョコの食べ過ぎにご注意ください。

今日のブログのタイトルは Sweet tooth。直訳では「sweet=甘い & tooth=歯〔単数形〕」で“甘い歯!”かと思いきや、I have a sweet tooth という使い方をして「私は甘党です」という意味になります。この表現をご存じの方はわりと少ないのではないかと想像していますが、甘い歯→甘党なんて面白い発想ですよね。

2015年9月11日付けのブログで、ジョン・オリバーの『Last Week Tonight』を紹介した際に、砂糖(糖分)を取り上げた回もリンクを張らせてもらいました。その動画の中でも、砂糖は additive(中毒を引き起こす)ものであり、人間は元来、より多くの糖分を欲するような体になっているという指摘がありました。ちょっと疲れた時や、お食事の後のお茶のお供に…と、私たちの食生活において甘い物は欠かせないと言ってもいいですよね(甘い物はニガテという方も時々いらっしゃるようですが)。

2016年2月2日付けのワシントンポスト紙の記事『 Why it’s so hard to cut back on sugar (and what to do about it)(糖の摂取量を減らすのがこんなにも難しい理由‐そして、それについて何をすべきか)』でも、摂取する糖を減らすことができないのは、必ずしも“意志の弱さ”に起因するわけではないと断言しています。



古来より、人間はサバイバルの為に砂糖を欲するように出来ているのです。でも、だからと言って、砂糖の摂りすぎを正当化してはなりません。(食物に元々含まれる糖分のほかに)添加された砂糖に由来するカロリーが、1日の摂取カロリーの20%を占めるような食生活をしている人は、その半分を摂取している人よりも心臓疾患のリスクが38%高くなるという研究結果もあるらしく、ただ「おいいしいから、太ってもいいわ」では済まない危険が伴います。おおまかに、成人の糖の摂取量は、1日当たり小さじ10杯に留めておくのが好ましいそうですよ。こうやって聞くと「そんなに、摂ってるかなぁ」という気もしないでもないですが、砂糖は、お惣菜やら調味料、食パンやハムなどにも(少なからず)添加されていますので、知らず知らずのうちに10杯分を超えているのかもしれません。普通の炭酸飲料には、1缶当たり小さじ6杯くらいの砂糖が入っているのは周知の事実ですしね。

それでは、どのようにしてsugar craving、甘い物を食べたくてしょうがなくなる衝動を抑えればいいでしょうか。同記事によると、「即、キャンディーとかに走るのではなく、果物がドライフルーツを選びなさい」とのこと。そして、例えば、リンゴや梨をスライスしてそれにシナモンを振りかけることで甘みを引き出したり、新鮮なベリー類にハチミツを少しだけ垂らすなど、工夫することを勧めています。実際 食べてみると、思った以上に空腹が満たされることに驚くかもしれません。

かと言って、「ノン・カロリー」を謳う合成甘味料の入った食品に走るのも良くありません。2015年3月31日付けの『続・合成甘味料』と題したブログで論文結果などを引用してお伝えしましたが、合成甘味料は逆に過剰摂取を促してしまうという話です。

ならば、自分の味覚を研ぎ澄ませて、素材の味をもっと楽しむことができるようになれば、健康的な食生活を送れるようになるでしょうか。あるいは、単に塩分や糖分を足したりするのではなく、エキゾチックな香辛料やアクセントになるハーブを加えて味に変化をもたせることで健康的に満足感の得られる食事ができるかもしれません。私たちが“味覚”だと思っているものは、実は“嗅覚”が寄与するところも大きいらしいですからね。
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# In / Out of Shape
Tokoです、こんにちは。
慌ただしかった5月も終わろうとしています。お蔭様でご依頼のほうもコンスタントに頂いており、どう時間をやりくりするかというのが常に最大の課題です。しかも、今月は行政上の手続きなどが多くあり、お役所に出掛けるとその日は思うように仕事が捗らなかったりして、どうしてもブログ執筆の時間が捻出できずにいました。…ところが、ここ2、3日は数時間なら自由な時間がとれることがあったので、「さあ、書くぞ」と、いくら意気込んでも筆がほとんど進みません。。orz 挙げ句は「きっとインプットが足りないんだ」という口実を思い付き、録画しておいた映画を観たり、読みかけの本を読んだりして時間を費やし今に至りますが、それでも、すごろく板の“ふりだしに戻る”というマスに来てしまったような感覚でいます(泣)。なので、わたしには時間が無いだけでなく、ブログ書けない病が再来してしまったのかもしれないと自覚し始めました。でも、せっかく読んで下さっている方々がいるのですから、なんとかこの病を克服し、これからも皆さんに楽しんで頂けるようなブログをお届けすべく精進していく所存ですので、どうぞ末永くお願い申し上げます(今まで未更新だった分も追々カバーしていく予定です!)。

今日のブログは、shape に関してです。Shape という単語を聞けば、「形」という意味が一般的かと思います。しかし、面白い事にこれに in または out という前置詞がつくことで、体格や身体の様子、厳密には体型が引き締まっているか否かを意味することにもなります。なので、俗に言う“スタイルがいい”とか“細い”というだけでなく、定期的な運動を行うことにより培われた均整のとれた体型のことを指します。

stay in shape 健康的な体型を保つ
be out of shape (運動不足で)身体の調子が悪い

フィットネスという言葉でもお馴染みですが、似たような言葉で fit という副詞があります。この fit は、動詞だと「ぴったり合う」とか「適合する」という意味になるのですが、keep fit や stay fit といった表現で見られるように副詞として使うことで「健康でいる、体型を保つ、身体を整える」という意味にもなります。

「A sound mind in a sound body(健全な精神は健康な肉体に宿る)」と言います。自分の shape は是非 アウト ではなく イン でありたいですね(笑)。



※ 写真はこちらから拝借しました。
http://www.glamour.com/health-fitness/2014/11/how-to-work-out-when-youre-hungover/1
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# Bottleneck
Tokoです、こんにちは。
先日から少々ややこしいサイエンス系の翻訳のご依頼をお受けし、大いに楽しんで作業をしておりました。一応わたしもかつては(今をときめく?)リケジョ路線を走っていたこともあり、特に生化学分野になると翻訳とはいえ概念だけでも十分理解した上で仕事をしたい!という願望に駆られ、ほぼ際限なくのめり込んでしまいますにひひ。そうなると自ずから納品前の訳文チェックも入念になり、せっかく早めに出してくれた訳文もわたしのところで滞ってしまったりして…。現に翻訳をしてくれたメンバーの一人にこんなメールを打ちました。「納品前チェックがボトルネックになっている」と。

それを書いたあとで、ふと、この「Bottleneck ボトルネック」という言葉は一般的に使われるものなのか?と疑問に思ったのです。そもそもわたしがこの Bottleneck と出会ったのはカナダの大学で生化学の授業を受けていた時で、日本語で言う「律速段階(※ 化学反応がいくつかの段階を経て進むとき,そのうちで変化速度が最も遅い反応段階。この反応速度で全体の反応速度が支配される)」にあたる表現として用いられていて、ボトルネック、つまり「瓶の首」が映像として頭に浮かび Aha! と妙に腑に落ちたのを覚えています。通常、瓶の首は細くなっているので、中身がつかえてなかなか出てこないイメージと見事に合致したからです。Wikipedia によると、システム設計上の「制約」の概念を表すということが一番に挙げられていました。

さらにインターネットで調べると日本語では一般的に略して「ネックになっている」という表現として使われるとのこと。Bottleneck と「ネックになる」はもともと同義なのですね。

ほかにもわたしの中ではサイエンスっぽい表現だなと思っている表現はいくつかあります。たとえば think outside of the boxes(箱の外で考える)、すなわち「既成概念の枠にとらわれず考える」という意味です。サイエンスのみならず、あらゆる分野で breakthrough(ブレイクスルー)、つまり突破口、突き抜ける瞬間、奇抜な発想、飛躍的な大躍進を実現するには、既成概念にとらわれすぎないことが大事なのは言うまでもありません。

それから、映画のタイトルにもなり今ではより広義的に使われるようになった Perfect Storm。これは、1991年に北大西洋上で三つの嵐が重なり、その巨大な高波に襲われた漁船の運命を描いたノンフィクション小説のタイトルでもあります。普通 perfect(完璧)という言葉は良い意味で用いられることが多いと思うのですが、「悪条件が全て揃った」という意味で perfect と言っているあたり、サイエンティスト的な sarcasm(嫌み)が効いている感じがするのです。
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# ジンクス
Tokoです、こんにちは。今日は2011年11月11日。実は今朝、やっとのことで完成した英文スクリプトを提出するためにお客さんにメールをお送りしたところ、偶然にも送信時刻が11時11分!簡略的な表示では
「11.11.11 11:11」
となっていて、「うわ、狙ったわけでもないのに ♡」と喜んでいたら…肝心のファイルを添付し忘れてるのに後になって気付きました orz… お客さん、「足立さん、狙いすぎて肝心なこと忘れたなーー」なんて思ってなければいいのですが。。。(しかも秒表示は12という;) ともかく「1」という先頭の数字がこれだけ並ぶことは縁起が良いと考える人は多いみたいで、世界各地でいろんなことが起こっているようですね。

ところで jinx(ジンクス)という言葉、日本では「良い縁起」という意味でも使われていますが、もともとは縁起の悪いほうを指し、「つきを悪くするもの、不運をもたらすこと」という意味になります。皆さんにも「これは必ずやらなきゃ上手くいかない」みたいなことはありませんか?たとえば有名どころでは、マリナーズのイチロー選手がバッターボックスで構えるまでにやっている、あの一連の動き、英語では ritual(直訳では「儀式」)というふうに表現されていますが、スポーツ選手にはそういったジンクスを強く信じている人が特に多いように思います。

人それぞれ(おそらく経験上から確立されているので)異なった、時にはほかの人にとっては「何、それ!?」みたいなジンクスを持っていることもあるかもしれませんが、一般的な通念として定番のジンクスも存在しますよね。英語圏で「悪いことが起こりませんよーに」というようなシチュエーションでよく発せられるのが

Knock on wood. (ノック オン ウッド。)

というフレーズ。また英国では touch wood.(タッチ ウッド。)と言うほうが主流のようです。ウッドは「木」ですから、直訳すると「木をコンッと叩く」という意味になりますが、文字通りこのジェスチャーを交えながらこのフレーズを言う人も多いです(たまには、わざと何も言わないで笑みを浮かべながらジェスチャーだけをする人もいます^^)。

この表現の由来には諸説ありますが、一般に、昔から木には魔力があると考えられていて、それに触れることで災いから逃がれられるというジンクスに基づくとされています。使い方としては、自分の希望や願望を述べた上で“思い通りに行きますように”という思いを込めて「ノック オン ウッド。」と締めくくったり、何かに挑戦するという相手の話を聞いて“うまく行けばいいね”という意味を込めて「ノック オン ウッド。」と言ったりします。また、最近調子いいんだよなー、とか、こんなにラッキーなのよ、みたく自慢話をしてしまった時に、“その運が逃げませんように”という戒めの気持ちも込めて「ノック オン ウッド。」と付け足したりもします。

ただ、いまは木製のものが日常の生活では減ってきているので、そのとき同時にジェスチャーをしようとして、なにかどこでも木製のものを探すためにキョロキョロすることがあります笑 まあ、それも込みで馴染みの深い表現なのですが^^

続き▽
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# Flex our muscles <3
Tokoです、こんにちは。最近また大口のご依頼を承り、翻訳漬けの日々を送っております。今回は欧州債務危機への対応策について検討されているEU首脳会議などにまつわる取材の音声ファイルが素材で、内容も濃く専門的なのでなかなか手ごわい業務です^^

そんな業務にいそしむ中、わたしの頭に浮かんできた英語の表現を今日はご紹介します。

Flex one’s muscles

Flex は「曲げる」、muscles は「筋肉」という意味なので、この表現は:

1 力のあるところを見せつける、力自慢する
2 力をもって威嚇する、実力行使を示唆する
3 腕試しをする、肩慣らしをする

といった意味合いに分類されます。腕をぐぐっと曲げて上腕二頭筋を隆起させる(いわゆる力こぶを作る)図を想像すれば、おそらく容易にその意味を把握できるような気がします笑。

ところで、デスクに座ってコツコツと翻訳をする中でなぜそのような表現が頭に浮かんだかと言いますと…前に、村上春樹氏か、猪浦道夫氏か、どなたかの著書を読んだときに(すみません、いま正確に思い出せないのではっきりした時点で本ブログ記事を修正させていただきます m(_ _)m )、
 『 翻訳は、数をこなすことでコツがつかめていくもので、
   それは筋トレにも似ている 』
というような言及があったからです。

わたしはその頃、翻訳家としてある程度 自信のついてきていた時期だったので、「なるほどな」と妙に感心したのです。つまり、翻訳する頭は筋肉のようなもので、定期的に地道にトレーニングを続けていれば立派な力こぶを誇示できるようになる、つまり英語なり異言語の表現に呼応する的確な日本語の表現が瞬時に浮かぶようになるということです。でも逆に、筋トレを怠れば~ぷよんぷよ〜ん~な状態になってしまうということですけどね^^;

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# What's the catch?
Tokoです、こんばんは。
今年のお正月にグルーポンを利用して、2万円のおせち料理を1万円で購入したユーザーから続々とクレームが上がり、すごい騒動になっていたこと、覚えていらっしゃるでしょうか? 結局、グルーポン側は「ノーコメント」を通し、おせち料理の販売元はグルーポンから口止めされたまま・・・現在に至る、なのでしょうか。(ネットから得られた情報なので真意のほどは分かりません、ご了承ください。)

グルーポンは、今月2日にIPO(新規株式公開)申請をした米シカゴを本拠地とする会社なのですが、グルーポンが提供している共同購入システムは、従来より知られている「口こみ」の威力が、ソーシャル・メディアの強大なパワーを借りることで、さらにその宣伝効果を激増させるという仕組みで、マーケティングの観点からすれば非常に賢い商法だと言わざるを得ません。グルーポンが提供するクーポンは、ほとんどが50%以上のディスカウントの目玉商品ばかり。ただ、そのクーポンを有効にするには条件があります、「クーポン発行数が100に達しなければならない」ということ。しかし、その条件こそが、グルーポンの賢いやり方なのです。あるクーポンを購入したユーザーは、そのクーポンを有効化するために(100人に達成させたいがために)友達に勧めるわけです。原則的に、グルーポンの扱う商品は各地域に密着した“選りすぐり”の商品なので、友達に勧めることにさほど抵抗も感じなくて済みます、むしろ喜ばれるかもしれません。しかも、ご丁寧にPC画面上のクーポンの上には、Twitter や Facebook へのリンクまで張られています。わたし自身は活用したことはないですが、みなさんの中には利用された方もおられるのではないでしょうか。

ユーザーにとっては、素晴らしい商品を半額くらいの値段で楽しめる。地元密着型の中小企業にとっては、300万(アメリカ推定)もの会員ベースを持つグルーポンという「ブランド」を利用することで、自力では考えられないほどの宣伝効果が得られる。グルーポンにとっては、在庫も商品管理もなにも心配することなく(これがそもそも、例の「おせち料理」のクレームにつながったと言えますが)利益を上げられる。まさに三者全得。Win-Win シチュエーション。でも、世の中そんな上手い話があるのでしょうか。。。

 So, what’s the catch? (で、裏には何があるの?)

この上手い話を成立させるために、販売元に多大なる皺寄せが行くようです。つまり、店側は、例えば、10,000円の商品をクーポン購入者には5,000円で売る、その上、通常その半分、すなわち2,500円をグルーポンに収めることになっているのです。オレゴン州ポートランドでカフェを営む Jessie という女性は、ブログで「グルーポンの一件は、私の経営者としての唯一にして最大の汚点だった」と堂々と述べ、その理由も詳らかにしています。なんでも、最初にグルーポン担当者と話をした際、「100%(つまり上記の場合だと 5,000円)いただきます」と言われたらしく、「とんでもない!」と思った Jessie は後日「50%」で承諾してしまったとのことです。さらに、クーポン発行数に上限がないため、100ではなく1,000単位で、事実上75%ディスカウントの商品を提供する義務が発生するわけです。とにかく、大幅な赤字覚悟でグルーポンを利用できる余裕のあるお店なら、もちろんその宣伝効果を十分に活用してほしいですが、そうでないお店は熟考を要するということですね。

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# Clear as mud
Tokoです、こんにちは。ここのところ、被災地の取材レポートに関わらせていただく機会があり、東北地方に住む方々の心意気に胸を打たれています。こんな折に取材に応じてくださったのは、 あの大津波に実際に飲まれたにもかかわらず生還した女性、一瞬にして所有する漁船が大破してしまった船主さん、従業員の行く末を第一に考える水産加工会社の社長さんたちです。皆さん、身内や戦友といえる同僚をこの震災で亡くしてしまった方たち。しかしながら、皆さんの語り口から、「東北にはこの苦境を乗り越えられる底力がある」と身震いを感じています。完全に復興するまでの時間は途方もなく長いと思いますが、忍耐と底力、そして、こんな時にもかかわらず「思いやり」を忘れない心、必ずやさらに力強い東北の再生を目にすることになるだろうと確信 した次第です。

その一方で、どうしても腹立たしく理解できないのは、東京電力幹部の対応だと言わざるを得ません。これだけ無数に、身体的、経済的、そして心理面でのダメージを受けた方々がおられると、報道のほうも「誰かを槍玉に挙げなければ」という意識が働くでしょうから過剰攻撃・非難・中傷といった側面はあるかとは思いますが、それでも、事実関係だけを抜き出して判断しても「無責任極まりない」という思いが募ります。

以前、カナダのアルゴンキンカレッジで国際貿易の勉強をしていたとき、Legal Aspects of International Trade(国際貿易における法律上の側面)という授業を受け、国際貿易という取引における販売元・バイヤー間の契約締結への詳細、納品・決済にかかわる複雑な仕組み、取引上の法律上の注意点などを学びました。特に法律上とられる予防措置に関する説明はややこしく、ある側面について、授業一コマをほぼ全部費やして説明し終わった教授が最後に一言、
 It’s clear as mud, right? 「泥のようにクリアだろ?」
と言ったときには、この言葉ほどその時のわたしの頭の中をうまく表しえる言葉はない、と感じました。もちろんこれは、反語表現で実際は泥がクリアなはずはなく、「理解しにくい、ちんぷんかんぷんで、訳が分からない」という意味で用いられます。

東京電力の説明を聞いていて、この言葉を思い出したのです。それに付随して記憶の糸につながって出てきた言葉が2つ、
 accountability 説明責任
 due diligence 相当な注意(通常の思慮分別をもった個人が払う程度の注意)
両方とも企業経営者として忘れてはならない側面ですね。

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# Catch 22
Tokoです、こんにちは。
先週エジプトで、18日間にわたる市民による貫徹デモによりついにムラバク大統領が辞任しました。これはエジプトの民主化への長い道のりの大きな第一歩であると同時に、中東における和平を保つ上でどのような役割を果たす国となり得るのかという点で、今後の動きを見守っていく必要があると思います。

2月10日付けのワシントンポスト紙に『 In the Middle East, a Catch-22 for the CIA.(中東におけるCIAのCatch 22)』というコラムが掲載されていました。みなさんは、この「Catch 22(キャッチ・トゥエンティ・トゥ)」という表現をご存知でしょうか。わたしは何となく「鶏が先か卵が先か」的に解釈し使ってきたのですが、研究社新英和中辞典によると『(どうもがいても)動きがとれない矛盾(した状況)、ジレンマ[逆説]的な状態』というふうに説明されています。

CIAにとって反テロ対策は(2001年9月11日の同時多発テロ以降はなおさら)最重要任務です。エジプトなど中東における親米的な国家は、そのための極めて貴重な情報源となってきたのです。つい先月、親米チュニジアでも民主蜂起によりベンアリ大統領が追放され23年の強権支配に終止符が打たれました。こういった民主的運動の気運を受け、中東における他の親米国家においても政権が崩壊の危機にさらされるやもしれません。そうなるとこれまで築き上げてきた前政権との関係はどうなるのか? 今までどおり信頼のおける情報は得られるのか? つまりアメリカは、こういった国家が民主化の道を歩むことを称賛しつつも自国の安全保障をはかるため諜報の源を絶やすことは何としてでも避けたいと願う、というジレンマに陥っているということなのだと思います。

同コラムを読みすすめると「Catch 22」のほかにも、「conundrum(地口なぞ、難題)」、「paradox(パラドクス、逆説、つじつまの合わないもの)」や「jam(詰まって動かなくなること、転じて困難、窮地)」などの表現がところどころ使われていて、その国との友好関係を結びつつスパイ行為を行うことの難しさを物語っているようです。

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