PROFILE
POWERED BY
    POWERED BY
    ぶろぐん
    SKIN BY
    ブログンサポート
OTHERS

# 語源の旅: 四季を表す英語
こんにちは、Ayakoです。とうとう8月になりましたね!東京も梅雨明けして暑い日が続いていますが、結構過ごしやすいので例年より気温がちょっぴり低い気がします。これから暑くなって残暑も厳しいのかもしれません。

さて、先週もお話しましたが、今月半ばに2年ぶりの海外旅行に出掛けます。先日スーツケースを新調しました。今持っているスーツケースは2年前の旅行の時にも使用したのですが(Rちゃんに荷物が少ないとびっくりされました)、お土産を入れるスペースが全くなかったので、今回用にひと周り大きいけど大きすぎずかつ軽い、サムソナイトのビーライト3・スピナー63 エキスパンダブルというスーツケースを購入しました。色々と探してようやくぴったりのスーツケースを購入でき満足です。とても軽くてお勧めです。

さて、前回までに、春と秋の語源を見たので、ついでに夏と冬も見てみましょう!

Summer
[900年以前. 中期英語 sumer, 古期英語 sumor; ドイツ語 Sommer と同語源]
Winter
[900年以前.(名詞)中期英語,古期英語;ドイツ語 Winter と同語源;WET, WATER と同根]
(小学館ランダムハウス英語辞典より)

どちらも同じ頃に同じような経緯で英語になっていることから、この2つの単語はまとめて英語に入ってきたのかもしれませんね(注:私の想像です)。

Winterは、WetやWaterと同根とありますが、元々はゲルマン祖語(ドイツ語や英語などゲルマン語の祖先にあたるもの)で「湿った季節」という意味から来ているようです。冬ってヨーロッパ圏では湿った季節なのか(だったのか)なぁとも思いますが、元々そのような意味があるようです。

さて、英語の「Fall」もドイツ語から入ってきていますが、これはドイツ語の「fallen」という落ちるという意味の動詞から来ています。ドイツ語では秋は「Herbst」と言います。こちらは英語の「Harvest」と同語源です。収穫の季節という意味で「秋」となったのでしょう。

Fall
[中期英語 fallen, 古期英語 feallan; ドイツ語 fallen と同語源]

上記3つはドイツ語から入ってきましたが、春だけは全く違う言葉です(英:spring、独:Frühling)。ネットで調べたところ、春は古英語でlenctenと言っていたそうですが、16世紀前後にspringに変わったとの事です。個人の方のサイトですが、とても勉強になったのでアドレスを記載させて頂きます。
http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2012-08-30-1.html
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅: Spring
こんにちは、Ayakoです。気が付いたら(といつも言っているような気がしますが…)もう7月も最終週。いよいよ来月は2年ぶりのヨーロッパ旅行です。モスクワ経由でウィーン入りし、プラハ、ブダペストまではお馴染みの旅友Rちゃんと。ブダペストからRちゃんはチューリッヒへ、私はミュンヘン(最近大変な事件が起きたばかりですが)へ行きます。という事で、超計画的なRちゃんのおかげでブダペストまでは完璧な計画&ホテルも全て予約済みですが、ミュンヘンからの計画が全く進まない私です。幸いなことに、ミュンヘンから2時間ほどの所にアメリカ時代の友達が駐在していると判明し、お休みを取ってくれてミュンヘンからその2日後に滞在予定のカールスルーエまでの間に色々と車で連れていってくれ、さらに家に泊まらせてもらえることになりました。さらにさらにカールスルーエまで送ってくれると言うからありがたいです。あとはブダペストからミュンヘンまでの飛行機をチケットを取らなければならないのですが、面倒くさくてまだ取っていません。Rちゃんがいないと何もできない私です…。

さて、前置きはそのくらいにして今日の語源にいきましょう。ドイツ語由来の単語を色々探したのですが意外と難しかったです。前回、fallとautumn(未だにautumnをぱっと綴れない…)をご紹介したので今日はspringを見ましょう。

[(動詞)中期英語 springen, 古期英語 springan; ドイツ語 springen と同語源;(名詞)中期英語 spring(e), 古期英語 spring, spryng 流出口;「春」は「芽が出る」時であることから]

(小学館ランダムハウス英語辞典より)

Springはドイツ語の「springen」という単語と語源は同じですが、ドイツ語から直接来たわけではないようです。ドイツ語の「springen」は古高ドイツ語という言語の「spingan」という単語が語源のようですので、おそらく英語の「spring」も元々の語源はそのあたりではないかと推測されます。が、古高ドイツ語は結局古いドイツ語なので、ドイツ語が語源と言っても良さそうな気もします。

古英語springenの原義は「突然わき出る」で、それが転じて12世紀頃にバネ、泉という意味になり、16世紀頃に「芽が出る時」ということ「春」という意味になりました。ちなみにドイツ語の「springen」は動詞なので春という意味はありません。ドイツ語の「春」は「Frühling」と言いますが、これは「früh」(英語のearlyにあたる言葉)から来ており、「早い季節」という意味だそうです。

このように、語源が同じで綴りも同じような単語でも、1つ1つ意味を調べてみると、どちらかの言語にはあってどちらかの言語にはない意味がある(今回の「春」のように)ので2つの言語を比較してみると面白いですね。
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:ドイツ語とフランス語の影響
こんにちは、Ayakoです。暑さが戻ってきましたが湿気がないので少し過ごしやすいでしょうか。

さて、英語は ドイツ語とフランス語の影響を大きく受けているというのはよく知られている話だと思います。例えば「秋」という単語は「fall」と「autumn」と2つありますが、「fall」はドイツ語、「autumn」はフランス語経由の言葉です。インターネットで「fallとautumnの違い」と検索すると、多くの情報では、「fall」はアメリカ英語、「autumn」はイギリス英語と書いてありました。でも、アメリカでだって「autumn」使ってるし、どうして「秋」には2つの言葉があるんだろうと思う人はきっといると思います。そこが英語の難しい所だなぁといつも思います。

以前にも説明しましたが、英語の歴史は複雑で色々な言語の影響を受けています。

これまでラテン語由来のものを多く紹介しましたが、ラテン語由来のものは多くがフランス語を経由して英語に入って来ているので、英語にはフランス語とよく似た単語がたくさんあります(ただし、ご存じの通り発音は異なりますが)。

フランス語の影響を受ける前は、英語は低地ドイツ語という言語の影響を受けていた言語だったため、ドイツ語由来の言葉はフランス語由来の言葉より歴史が古いです。ですのでドイツ語とよく似た単語もたくさんあります。以前にも言いましたが、フランス語はいわゆるハイソサエティーな人々が使っていた言葉だったため、今でも論文や高尚な書き物になると、とたんにフランス語由来の単語が多くなります。どちらかと言うと文語的単語はフランス語由来、口語的単語はドイツ語由来と言えるかもしれません。

さて、ドイツ語とフランス語の影響の説明なくして語れないのが英語の比較級です。

英語を習い始めた時に、なぜ比較級は「more」を付けるものと語尾に「er」を付けるものの2種類あるかよくわからなくて悩んだ人は多いかもしれません。

先日中学生の姪っ子に英語を教えてあげていた時も、「なんで2種類あるかわからん!」と嘆いていました。中学生が英語に挫折感を覚える文法ナンバー1かもしれませんね。

「More…than~」形式の比較級はフランス語の比較級「plus…que~」から来ています。フランス語では形容詞または副詞の前にplusを付けると「~より…」となります。

「er…than~」形式の比較級はドイツ語の比較級「er…als」から来ています。ドイツ語では形容詞または副詞のお尻にerを付けると「~より…」となります。

最上級も同じ原理です。

ちなみに一般的に、1音節の単語などはer、3音節以上になるとmoreを使う、2音節の単語になるとどちらか、という決まりになっているようです。中学生の頃は、「長い単語はmoreね~」と言われて悩んだ人も多いのではないでしょうか。

このように、英語には同じ意味なのに2種類ある、という単語は山のようにあります。そんな時、辞典や語源の本、インターネットなどで調べてみてください。どちらがフランス語由来なのか、ドイツ語由来なのか知るだけでも ぐんと英語に対する理解が深まると思います!

それではまた!
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:東京都の「都」を英語で言うと…
こんにちは、Ayakoです。梅雨前線が切れているようで東京では梅雨の晴れ間が続いています…と思ったら夕立が!さて、私はこの週末、奥多摩湖周辺へドライブに行って来ました。



東京都ってすごいですね。都心はコンクリートジャングル(友人談)かと思えば、こちらは緑溢れる大自然。温泉もたくさんあり、大自然と良いお湯に癒されました!都会の生活に疲れつつある(!?)私の癒しのスポット確定です。



さて、奥多摩ドライブでは東京を越えてちょっぴり山梨県側にも行きました。山梨県から東京に戻ってくる途中の道路標識におぉ!となりました。

東京都って「Tokyo Met.」なんですね!お恥ずかしながら「Met.」が何の略かわからず調べてみたら「Metropolis」でした。あまりにも「prefecture」に馴染み深くて考えた事もありませんでした。ちなみに京都府や大阪府、そして北海道も英語表記は「prefecture」
のようです(北海道は「Hokkaido(Prefecture)」)。

そこでふと、「Metropolis」の語源は?と思い早速調べてみました。

[中期英語<後期ラテン語 mētropolis<ギリシャ語 mētrópolis 母国,母市,主要都市=mētro- (mētēr MOTHER の連結形)+pólis -POLIS, POLIS]
(小学館ランダムハウス英語辞典より)

「Metro」と聞くと何となく「大きな~」とか「大都市の~」という言葉を想像しますが、元々はギリシャ語の「母の」という意味にあたるという事です。また、「子宮」を表す「mētra」の連結形でもあり、一般的にはあまり馴染みがない英語ですが、metrorrhagia(子宮出血)、metroscope(子宮鏡)も同じ語源です。

ちなみにラテン語で母親は「māter」ですが、「母の、母親らしい」という意味の「Maternal」はラテン語から来ていますが意味的には同じですね。

さて、「polis」の方ですが、これは学生時代に学んだ世界史で出てくる言葉(今も習うのかな?)なのでわかる人も多いと思いますが、「ポリス」というのは古代ギリシャの都市国家を意味する言葉ですね。古代ギリシャにはアテナイ、スパルタなどのポリスがあると学びました。

という事で、「Metropolis」とは「母なる都市=核となる都市=首都」というイメージではないでしょうか。

最近では何かとお騒がせな東京都ですが、日本の核となる首都として、これからも堂々とした都市でいて欲しいですね!
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:名詞・形容詞を作る語尾「-ent(-ant)」②
こんにちは、Ayakoです。またまた島根からのお届けです。今回の帰省は梅雨時にも関わらず、お天気もまずまずでした。今週で今年も半分が過ぎた事になりますね。



たまたま出雲大社横にある北島国造館に行ったら夏越しの祓の茅の輪があったので、「祓ひ給へ清め給へ」と3回呟きながら八の字にくぐって今年後半の健康と厄除けを祈願してきました!今年前半はとても忙しくて心に余裕がなくなる場面もちらほら…。7月からの後半はのんびり過ごしたいなと思います(と言っても8月までは色々予定が…)。皆さんも今年半年、お元気にお過ごし下さい!

今週も名詞・形容詞をつくる語尾「-ent(-ant)」の続きです。「-ent(-ant)」には以下のような意味がありました。

【1】…(を)する,…を示す,…の(ある).…性の
▶形容詞をつくる:different.
【2】…(する)人[もの,こと]:
▶名詞をつくる:accident.(また-ant)
[<ラテン語-ent-(-ēnsの語幹); -ēns はラテン語 第二,第三,第四変化動詞の現在分詞接尾辞]


前回は形容詞をリストアップしたので今回は名詞をリストアップしてみます。

名詞
<president>
[中期英語<ラテン語 praesidēns〔praesidēre「主宰する(PRESIDE), 管理する」の現在分詞の名詞用法〕]
<accident>
[c1380.<ラテン語 accidēns〔accidere「起こる」の現在分詞=ac- AC-+-cidere(cadere「落ちる」より)〕]
<student>
[1398.中期英語<ラテン語 studēns(studēre「骨を折る」の現在分詞); 中期英語 studiant に取って代わる;studiant は estudiant〔<古期フランス語,estudier「勉強する(STUDY)」の現在分詞の名詞用法〕の頭音消失異形]
<restaurant>
[1827.米語;<フランス語,restaurer の現在分詞の名詞用法<ラテン語 restaurāre(体力,元気を)回復させる(RESTORE); Boulanger が1765年にパリで初めて開いたレストランの看板のラテン語(Venite ad me omnes qui stomacho laboratis et ego vos restaurabo.=Come to me ye all that suffer from the stomach and I will restore you.)中の語 restaurabo から取られた]
<immigrant>
[1789.米語;<ラテン語 immigrāns(immigrāre「…に移動する」の現在分詞). IM-1, MIGRANT]
<component>
[1563.<ラテン語 compōnēns(compōnere「寄せ集める」より)]
<event>
[1570-76.<ラテン語 ēventus 出来事,結果(ēvenīre「現れる,起こる」より)]
<grant>
[c1225? 中期英語 gra(u)nten<古期フランス語 graunter〔creanter の異形<俗ラテン語 *credentāre(ラテン語 crēdere「信じる」より; CREED)〕]

来週は、前回予告した通り、ラテン語以外の語源の単語を探してみようと思います。
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:名詞・形容詞を作る語尾「-ent(-ant)」
こんにちは、Ayakoです。毎日蒸し暑い日が続きますね。

前回は名詞・形容詞をつくる語尾「-ent(-ant)」について少しお話しました。この「-ent(-ant)」は元々ラテン語では現在分詞をつくる語尾でした。英語でも現在分詞は形容詞や名詞の役割をしますよね。

ちなみに英語の動詞の語尾につく「-ing」は古期英語から来ているようです。だから「-ent(-ant)」とは語源が違うだけで元々の用法は同じなのかな。ふと思いました。もしかしておおざっぱに言うと、例えばdifferentとdifferingはほぼ同じ事なのかな…むむむ、これを調べるのは時間がかかりそうなので割愛します…

英語は色々な言語がごちゃまぜになっているので、いつも言っていますが複雑ですね。

小学館のランダムハウス英語辞典には「-ent(-ant)」についてこんな説明がありました。

【1】…(を)する,…を示す,…の(ある).…性の
▶形容詞をつくる:different.
【2】…(する)人[もの,こと]:
▶名詞をつくる:accident.(また-ant)
[<ラテン語-ent-(-ēnsの語幹); -ēns はラテン語 第二,第三,第四変化動詞の現在分詞接尾辞]


特に説明しなくても簡単なので今日は形容詞とその語源についてリストアップしてみました。他にもたくさんあります。探してみて下さいね。

形容詞
variant…[c1374.中期英語<ラテン語 variāns〔variāre「異なる(VARY)」の現在分詞〕]
prevalent…[1576.<ラテン語 praevalēns〔praevalēre「勢力がある(PREVAIL)」の現在分詞〕.ˆPRE-, -VALENT]
different…[c1384.中期英語<アングロフランス語<ラテン語 differēns(differre「相違する」の現在分詞).ˆDIFFER]
pregnant…[中期英語<ラテン語 praegnāns(praegnās の異形); praegnās=prae- PRE-+gnāt-((g)nātus「生まれた」,gignere「産む」と同根)+-s 主格単数語尾]
sufficient…[中期英語<ラテン語 sufficiēns〔sufficere「足りる(SUFFICE)」の現在分詞〕]
important…[1444.中期英語 importante<中世ラテン語 importāns〔importāre「重大である,重さがある」(ラテン語「運び込む,輸入する」)の現在分詞;ˆIMPORT〕]
distant…[1391.中期英語 dista(u)nt<ラテン語 distant-〔distāre「離れて立つ」(di- DI+stāre 立つ)の現在分詞 distāns の語幹〕]
instant…[中期英語<ラテン語 instāns〔instāre「面前にいる,差し迫った」の現在分詞;stāre「立つ(STAND)」より;ˆIN〕]
existent…[1561.<ラテン語 existēns〔existere「存在する(EXIST)」の現在分詞〕]

やっぱりラテン語から来た英語が多いですね。来週名詞のリストアップした後は、ラテン語以外の語源を探してみようかなと思います。覚えていたら…。ではまた!
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:continentとcontain
こんにちは、Ayakoです。今日はテレビに私の故郷が出ていたので見入ってしまいました。

さて、今日は「大陸」という意味の「continent」の語源を見てみましょう!
(意味は小学館のランダムハウスを参照)

<continent>
[中期英語<ラテン語 continēns〔continēre「含む(CONTAIN)」の現在分詞〕=con- CON-+-tin-(ten-「保つ」の連結形)+- ēns -ENT]

「continent」は以下の2つの語から出来ています。

①<contain>
[1300年以前? 中期英語 conte(y)nen<古期フランス語 contenir<ラテン語 continēre =con- CON-+tenēre 保つ(-TENET)]

②<ENT>
[<ラテン語-ent-(-ēns の語幹); -ēns はラテン語 第二,第三,第四変化動詞の現在分詞接尾辞]

「continent」は「含む」という意味の「continēre」が派生してできた言葉のようですが、この言葉をもっとかみ砕くと、「together, with」という意味でお馴染みの「Con」に英語の「hold」に当たる「tenēre」がくっついてできたものですので、「一緒に保つ、持つ」という意味で「含む」という意味になっています。

後ろの「ent」は先日も出てきました、現在分詞の接尾辞です。形容詞(…をする、…のある、…を示す)と名詞(…する人、もの、こと、antになる事も)を表します。例はdifferent(形)やaccident(名)ですね!この2つの語については来週取り上げましょう!

という事で、「continent」の元々の意味は「含んでいるもの」といった感じでしょうか。何を含んでいるんでしょう。人、自然、動物…色々なものを含んでいるから「含んでいるもの」=「大陸」という意味になったのでしょうか。なんだかすごい想像力!

今はもう大陸、陸地、本土、という意味でしか使われていませんが、昔はやはり、入れ物、容器、収容力、内容…など、まさにcontainの名詞としての意味で使われていたようです。「container」の語尾「er」はどうも古い英語が語源のようですので、昔の「continent」と今の「container」は同じ意味だったのですね。

では、次回は先ほども言った通り、名詞や形容詞を作る「ent」について見てみましょう。
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:あれとこれが同じ語源!?シリーズ⑥-3
こんにちは、Ayakoです。前回三日月の話をしましたが、日本には月の呼び方がこんなにもあると知っていましたか。

新月≪朔(さく)≫、繊月(せんげつ)≪二日月、既朔(きさく)≫、三日月≪若月{わかつき}・眉月{まゆつき}・蛾眉{がび}≫、上弦の月、十日夜(とうかんや)、十三夜月(じゅうさんやづき)、小望月(こもちづき)≪十四日月(じゅうよっかづき)≫、満月≪十五夜、望月、三五の月(さんごのつき)、仲秋の名月、芋名月(いもめいげつ)、望(ぼう)≫、十六夜(いざよい)、立待月(たてまちづき)、居待月(いまちづき)、寝待月(ねまちづき)≪臥待月(ふせまちづき)≫、更待月(ふけまちづき)≪亥中の月(いなかのつき)≫、下弦の月≪二十三夜月≫、有明月(ありあけづき)、三十日月(みそかづき)

昔の日本人の表現力は本当に素晴らしいですね。

先日参加したアロマオイルの1日講座で聞いた話ですが、合理的とは現代人にとってはいかに効率的に時短で生きるかという事ですが、古代エジプト人にとってはいかに自然のリズムに合わせて生きるかという事だったそうです。日本人もきっと合理的に生きるためにこうやって月齢を細かく分類したのでしょうね。

さて、またまた余談が長くなりました。
前回は「三日月」という意味の「crescent」の語源を見ました。

「crescent」に「下がる」を意味する接頭辞「de」が付くと「decrescent(しだいに減少する、漸減的な、(月などが)欠けていく)」になります。

「crescent」は満ちていく月を表し、「decrescent」はあまり一般的には使われていませんが欠けていく月を表しているようです。
[1610.<ラテン語 dēcrēscēns〔dēcrēscere「減る(DECREASE)」の現在分詞〕]
(参照:小学館ランダムハウス英語辞典)

最後に、少し複雑に変化していますがこんな単語も仲間だというのをご紹介します。
<recruit>
日本では「リクルート」というカタカナ語でも有名ですが、英語では「軍隊に入隊させる」という意味の他に、「元気などを回復する、取り戻す、ものを補充する」という意味でも使われるようです。
[1643.<フランス語,recruter(recrue「新しく生えたもの」より)の語幹;recrue は recroître の女性形過去分詞の名詞用法=re- RE-+croître(<ラテン語 crēscere 成長する;cf. CRESCENT)]

やはりラテン語の「crēscere 成長する」がフランス語を経由して英語に入ってきたものです。文字通り読むと「もう1度成長させられたもの」という感じでしょうか。そこから回復する、取り戻す、補充するという意味になったと考えられます。フランス語に入った時点で意味がかなり変わっているようですね。ちなみに辞書には「軍隊に入隊させる」とありますが、元々は軍隊視点で軍人を「補充」するという意味なのでしょう。
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:あれとこれが同じ語源!?シリーズ⑥-2
こんにちは、Ayakoです。今日もあれとこれが同じ語源!?シリーズです。前回は「increase」と「decrease」を見ました。

余談ですが、「increase」と「decrease」が文章中に出てくると訳語をものすごく考えなければいけない時があります。

先日、「increase満腹感」(満腹感だけ日本語ですみません…)という言葉がありました。思いつく時はパッと思いつくのですけど、翻訳中は本当に考えても考えても出てこなくて、違和感がありつつも「満腹感を増加させる」としたように思います。色々検索して答えが見つかる場合もあるのですが、この時はどうしても思いつきませんでした。ところが、今ブログを書いていてはっと「満腹感を増幅させる」を思いつきました。「increase」には「増やす」の他に「拡大する」という意味もあるので「増幅」で良さそうです。「ああ…」とため息を付いてしまいましたが、これを次に生かすしかありません。言葉って大変です!

さて、ラテン語で「増える、成長する」という意味の「crēscere」にお馴染みの接頭辞が付いた形が「increase」と「decrease」でした。さて、ではこれらの語幹の「crēscere」はどんな英単語になっているかわかったでしょうか。

答えは…

昨日は綺麗な満月でしたが、今日の答えは「三日月」という意味の「crescent」です。

[1399.<ラテン語 crēscēns(crēscere「増加する」の現在分詞; -CREATE, -ESCE); 中期英語 cressaunt に取って代わる]

(参照:小学館ランダムハウス英語辞典)

ランダムハウスには一般的な「三日月」という意味の他に、形容詞で「しだいに増大する、漸増する」(古・詩語)という意味が掲載されています。月は昨日のような満月から向かって右側がだんだん欠けて行き、そして新月になり、今度は少しずつ満ちていって三日月を経てまた満月になります。「crescent」とは満ちていく、という意味なのですね。また、ウィキペディアに興味深い説明がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%97%A5%E6%9C%88

広義の三日月
広義には(特に陰暦を使わなくなった現代では)、厳密に陰暦3日の月だけでなく、新月と上弦の間の広い範囲の月相を三日月と呼ぶことも多い。
英語のクレッセント (crescent) やフランス語のクロワッサン (croissant) などはこの意味である。ただしこれらの語は、月に限らず、朔望する天体一般に使える。
また、下弦と晦の間の月も三日月と呼ばれることがある。英語でもこれをクレッセントと呼ぶが、デクレッセント (decrescent) として区別することもある。


「decrescent」もれっきとした英単語です。次回、この単語の意味を見つつもう少しこのシリーズを掘り下げてみたいと思います。
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)
# 語源の旅:あれとこれが同じ語源!?シリーズ⑥
こんにちは、Ayakoです。お正月休みぶりに島根に帰省して久々の島根を満喫しています。昨日は父と甥っ子と3人で鳥取県の大山に登ってきました。登山道が階段状になっていて思った以上にハードでしたが3時間でなんとか山頂に辿り着けました。下は快晴で28度前後ありましたが上はガスがかかっていて気温もかなり低かったです。小学6年生の甥っ子は前回3合目でギブアップしたそうですが、今回は3合目あたりまで来て「もう嫌」と駄々をこねつつも、4合目あたりを過ぎると元気になって途中で知り合ったカップルと一緒にズンズンと先に行って山頂で私と父を待っていました。帰りがまたきつかったですが心地良い疲労感でとても良い週末を過ごせました。今日は全身筋肉痛かな?と思いましたが意外と平気でした!そんなこんなで明日は東京へ戻りますが、もう1つ近くに登りたい山があるので次回また頑張りたいと思います。

長い前置きになりましたが、本日の語源の旅です。またも辞書を忘れてきたため短いバージョンですがお許し下さい。

今日もあれとこれが同じ語源!?シリーズです。

今日は「increase」と「decrease」です。翻訳をしていると結構な頻度でこれらの単語が出てきます。論文などは特に多いかもしれませんね。経済関連の文書などにもよく出てくる単語です。(参照:小学館ランダムハウス英語辞典)

[1333年以前. 中期英語 incresen, encresen<中期フランス語 encreistre<ラテン語 incrēscere=in- IN-+crēscere 成長する]


[c1380.中期英語 decres(名詞), decresen(動詞)<古期フランス語 decreistre<ラテン語 dēcrēscere(dē- DE-+crēscere 増える]


ラテン語で「増える、成長する」という意味の「crēscere」にお馴染みの接頭辞が付いた形ですね。

「increase」の「in」は通常「内へ」という意味ですが、この場合は強意するために付いているようです。「decrease」の「de」は降下を表す接頭辞で「下へ」という意味ですね。

さて、ではこれらの語幹の「crēscere」はどんな英単語になっているのでしょうか。綴りで少し想像がつくかもしれません。来週まで少し考えてみて下さい。
Ayako::etymology : comments (x) : trackback (x)