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# Clear as mud
Tokoです、こんにちは。ここのところ、被災地の取材レポートに関わらせていただく機会があり、東北地方に住む方々の心意気に胸を打たれています。こんな折に取材に応じてくださったのは、 あの大津波に実際に飲まれたにもかかわらず生還した女性、一瞬にして所有する漁船が大破してしまった船主さん、従業員の行く末を第一に考える水産加工会社の社長さんたちです。皆さん、身内や戦友といえる同僚をこの震災で亡くしてしまった方たち。しかしながら、皆さんの語り口から、「東北にはこの苦境を乗り越えられる底力がある」と身震いを感じています。完全に復興するまでの時間は途方もなく長いと思いますが、忍耐と底力、そして、こんな時にもかかわらず「思いやり」を忘れない心、必ずやさらに力強い東北の再生を目にすることになるだろうと確信 した次第です。

その一方で、どうしても腹立たしく理解できないのは、東京電力幹部の対応だと言わざるを得ません。これだけ無数に、身体的、経済的、そして心理面でのダメージを受けた方々がおられると、報道のほうも「誰かを槍玉に挙げなければ」という意識が働くでしょうから過剰攻撃・非難・中傷といった側面はあるかとは思いますが、それでも、事実関係だけを抜き出して判断しても「無責任極まりない」という思いが募ります。

以前、カナダのアルゴンキンカレッジで国際貿易の勉強をしていたとき、Legal Aspects of International Trade(国際貿易における法律上の側面)という授業を受け、国際貿易という取引における販売元・バイヤー間の契約締結への詳細、納品・決済にかかわる複雑な仕組み、取引上の法律上の注意点などを学びました。特に法律上とられる予防措置に関する説明はややこしく、ある側面について、授業一コマをほぼ全部費やして説明し終わった教授が最後に一言、
 It’s clear as mud, right? 「泥のようにクリアだろ?」
と言ったときには、この言葉ほどその時のわたしの頭の中をうまく表しえる言葉はない、と感じました。もちろんこれは、反語表現で実際は泥がクリアなはずはなく、「理解しにくい、ちんぷんかんぷんで、訳が分からない」という意味で用いられます。

東京電力の説明を聞いていて、この言葉を思い出したのです。それに付随して記憶の糸につながって出てきた言葉が2つ、
 accountability 説明責任
 due diligence 相当な注意(通常の思慮分別をもった個人が払う程度の注意)
両方とも企業経営者として忘れてはならない側面ですね。

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