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# 中身のあることばを使える人でいたい
こんにちは、Serenaです。英語、ドイツ語、イタリア語のフリーランス翻訳者をしております。SWIFTメンバーズブログには時々こうやってゲストとして参加させていただいています。

今日は9月27日付のTokoさんの記事「マニュアル・ワールド」から連想したことを投稿させていただきます。Tokoさんはこの記事について「言語・異文化・多国籍」関連というブログのテーマからは外れてしまう…と書いていらっしゃいましたが、少なくとも私には「言語」について日ごろ自分が感じていることと重なる点が感じられました。「ハンバーガー20個を買った客に対して店員が「お持ち帰りですか?」とマニュアル通りの確認の質問をし、思わずその客は絶句していた…」という内容の記事です。全国展開のチェーン店で一定以上のサービスを提供するためには、とりあえずアルバイトへの教育は「決まり文句を体に覚えさせる」という方法をとっているのでしょう。(かのチェーンでは店員に徹底して接客用語(と、スマイル^^)を反復練習させる、と聞いたことがあります。)ただ、それらの決まり文句は何のためにあるかというと、あくまでもお客様が気分よく買物できるようにする(=Tokoさんの言う「どの店舗でも均一のサービスが期待できるという安心」を与える)というのが目的のはず。マニュアルにあるから、ではなく、それらをきちんと自分が発する「ことば」として目の前の相手に差し出す、という意識を頭の片隅に持っていてほしいものです。(もちろん職業病?として、口が勝手に動いてその場にはそぐわない決まり文句が飛び出した、ということはあるでしょうが、まあその時はお客さんと目を合わせて笑ってしまう、くらいの余裕があれば…。)

一方、「丸暗記」が威力を発揮するのは外国語の勉強です。「買物」「道をたずねる」といった場面別の会話パターンを、とにかく反復して音読し覚えておくことは大変役立ちます。いくらゆっくりと話されていても、知らない単語が使われている文章は意味がわかりませんが、自然なスピードで話されている海外ニュースやドラマでも、自分の頭に入っている単語を使った表現が出てくれば、その部分だけスッと聞き取れたりします。それはその単語の音やリズムが自分の身に入っているからでしょう。もともと自分の身についている母国語とは異なる言語を学び、多少なりとも伝達手段として使えるようになるための一つの方法としては、文章をまるごと覚えることでその外国語の持つ「思考体系」ごと頭に入れることが有効ではないでしょうか。(とはいえ、実際に海外に居るという状況でもないかぎり、色々な場面を想定して表現を暗記するという気力を維持するのは正直大変ですが。)

言葉に関わる仕事をしている者として、翻訳をする際には元の言語が「伝えようとしていること」の中身を理解し、それを届けるべき相手に「伝わることば」で渡そうという気持ちを忘れずにいたいものです。そのためには、ふだん日本語を話している時も一語一語を大切にしなければ、と思っています。

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