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# ハゲワシの胃の強靭さについて
こんにちは、Wadaです。

突然ですが、ハゲワシは決して器用な食べ方をしません。厚い皮を簡単についばめるくらい獲物の死骸が腐って柔らかくなるのを待つそうです。もしくは獲物の大腸側からくちばしを突っ込んで内容物をついばむことも。そのため、排泄物から生じる病原菌に晒されることになります。Nature Communicationsという雑誌にはこのほど、ハゲワシの顔の皮膚とその腸の微生物を初めて分析した結果が掲載されました(The Economist 11月29日)。

50羽のヒメコンドルとクロハゲワシの頭から得られた約528種類の細菌は、他の動物には様々な病気を引き起こすことがわかりました。またハゲワシの顔からは炭疽病をもたらす細菌も見つかったのですが、これらはハゲワシ自身には何ら影響を及ぼさないのです。ハゲワシの胃は人間の胃の10倍の酸を発して大量の菌を殺すほど強靭であるためで、その顔の表面で見つかった菌の85%が胃の中からは見つからなかったそうです。もっとも胃に残っていた細菌も決して安全なものではなく、鳥の大量死の原因になるものや、人間の結腸癌を引き起こすものが見られたのです。

なぜハゲワシは生き残っていられるのでしょうか? 実は動物園のハゲワシも、食べているものはまったく違うのに、腸で見つかる細菌は同じようなものでした。ハゲワシと細菌が協力し合っていると考えられているのです。ハゲワシは、ボツリヌス中毒の原因となる菌への抗体を持つなど、強靭な免疫システムを持つことがわかりました。またボツリヌス中毒の原因となるクロストリジアのような細菌は、食物を分解してハゲワシの栄養に変えてしまう役割が備わっていることもわかったのです。

ハゲワシは炭疽病のような病気を広めるとして忌避されてきたのですが、死骸をついばんで綺麗にすることで細菌の伝染を防ぐ役割も担っているのです。

生物界の複雑さに改めて驚かされました。
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