2014-12-12 : 23:38 : admin
こんにちは、Akikoです。
以前一緒に仕事をしたTくんがフランスに帰国しました。
Tくんは27歳のベトナム系フランス人。パリの超優秀な日本語学校に通う学生で、日本で開催される国際イベントのインターンとして来日していました。
このTくん、見た目は昭和の実直な日本人という感じで、カジュアルOKのオフィスにもかかわらず、毎日ジャケットを着て出勤してきました。Tくんが襟なしの服を着ていたのを見たことがありません。
初めてオフィスにやってきた日、何を飲むかと聞かれて、「お冷やをお願いします」と答えたツワモノであり、「津軽海峡冬景色」から水樹奈々までカラオケのレパートリーは広く、ほぼ画面を見ないで歌えました。もともとエンジニアだったそうでシステム系に強く、こちらが褒めても「いやいや…」と手を振りながら謙遜し、自分のタスクが終わるとすぐに「何かお役に立てることはありますでしょうか?」と聞いてくる、見た目だけでなく心まで実直な人柄の持ち主でした。
ある日のこと。勤勉なTくんが、オフィスに現れません。メールで、「色々な問題が発生して、遅れます。誠に申し訳ありません」と連絡がありました。
色々な問題っていったい??
とみんなたいそう心配をしました。当時Tくんが住んでいたのは埼玉の奥の方で、通勤に一時間半以上かかるところでした。慣れない日本の猛暑で体調を崩してしまったのではないか…。実直なTくんですら耐えかねる職場環境だったのではないか…。これで日本が嫌いになったらどうしよう…。
午後も遅くなって、やっとTくんが申し訳なさそうな顔をしてやってきました。ひたすら謝るTくんの話を聞くには、大事な荷物を預かることになっていて、日時指定をしたものの手違いでその配達が遅れてしまい、家を出ようにも出ることができなかったそうです。
そこまで聞いたら、その大事な荷物とは何か聞きたくなるものが人情というもの。突っ込んで聞いてみると、どこまでも正直なTくんはお茶を濁すこともしません。すぐに、それが コミケで販売する同人誌 と判明しました。印刷所から納品されるのを待っていたそうです。
(そ・れ・は、仕事より大事なミッションだね!)
Tくん担当の指導スタッフがしかるのを傍目に、心の中で叫んだわたしでした。
後日、このTくんがフランスに帰国してから仕上げるという論文の下書きを見せてもらいましたが、J-POPやアニソンなど、いろいろな日本の歌を取り上げてよく使われるキーワードを解析するというもので、たとえばJ-POPだと「希望」「未来」「きみ」「ぼく」という言葉が並び、アニソンだと「運命」「宇宙」「愛」という言葉が並ぶ…というめちゃくちゃ納得、かつ面白い研究でした。
イベント業務は忙しいものでしたが、Tくんも休日は隅田川の花火大会など、友人といろいろなところに出かけていたようです。
「リア充だね」と言うと、また、「いやいや…」と手を振りながら謙遜していました。
日本のボジョレーヌーボーがあまりに高いのでびっくりしていたTくん、クリスマスは家族とゆっくり、美味しいワインを飲みながら過ごすことでしょう。
ちなみに、Tくんは来年すぐまた日本に帰ってくるそうです。
以前一緒に仕事をしたTくんがフランスに帰国しました。
Tくんは27歳のベトナム系フランス人。パリの超優秀な日本語学校に通う学生で、日本で開催される国際イベントのインターンとして来日していました。
このTくん、見た目は昭和の実直な日本人という感じで、カジュアルOKのオフィスにもかかわらず、毎日ジャケットを着て出勤してきました。Tくんが襟なしの服を着ていたのを見たことがありません。
初めてオフィスにやってきた日、何を飲むかと聞かれて、「お冷やをお願いします」と答えたツワモノであり、「津軽海峡冬景色」から水樹奈々までカラオケのレパートリーは広く、ほぼ画面を見ないで歌えました。もともとエンジニアだったそうでシステム系に強く、こちらが褒めても「いやいや…」と手を振りながら謙遜し、自分のタスクが終わるとすぐに「何かお役に立てることはありますでしょうか?」と聞いてくる、見た目だけでなく心まで実直な人柄の持ち主でした。
ある日のこと。勤勉なTくんが、オフィスに現れません。メールで、「色々な問題が発生して、遅れます。誠に申し訳ありません」と連絡がありました。
色々な問題っていったい??
とみんなたいそう心配をしました。当時Tくんが住んでいたのは埼玉の奥の方で、通勤に一時間半以上かかるところでした。慣れない日本の猛暑で体調を崩してしまったのではないか…。実直なTくんですら耐えかねる職場環境だったのではないか…。これで日本が嫌いになったらどうしよう…。
午後も遅くなって、やっとTくんが申し訳なさそうな顔をしてやってきました。ひたすら謝るTくんの話を聞くには、大事な荷物を預かることになっていて、日時指定をしたものの手違いでその配達が遅れてしまい、家を出ようにも出ることができなかったそうです。
そこまで聞いたら、その大事な荷物とは何か聞きたくなるものが人情というもの。突っ込んで聞いてみると、どこまでも正直なTくんはお茶を濁すこともしません。すぐに、それが コミケで販売する同人誌 と判明しました。印刷所から納品されるのを待っていたそうです。
(そ・れ・は、仕事より大事なミッションだね!)
Tくん担当の指導スタッフがしかるのを傍目に、心の中で叫んだわたしでした。
後日、このTくんがフランスに帰国してから仕上げるという論文の下書きを見せてもらいましたが、J-POPやアニソンなど、いろいろな日本の歌を取り上げてよく使われるキーワードを解析するというもので、たとえばJ-POPだと「希望」「未来」「きみ」「ぼく」という言葉が並び、アニソンだと「運命」「宇宙」「愛」という言葉が並ぶ…というめちゃくちゃ納得、かつ面白い研究でした。
イベント業務は忙しいものでしたが、Tくんも休日は隅田川の花火大会など、友人といろいろなところに出かけていたようです。
「リア充だね」と言うと、また、「いやいや…」と手を振りながら謙遜していました。
日本のボジョレーヌーボーがあまりに高いのでびっくりしていたTくん、クリスマスは家族とゆっくり、美味しいワインを飲みながら過ごすことでしょう。
ちなみに、Tくんは来年すぐまた日本に帰ってくるそうです。
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