2014-12-25 : 23:26 : admin
こんにちは、Wadaです。
人工的な装置で地球表面の温度を下げてしまう方法が模索されているのをご存知でしょうか。海洋上に低く広がる雲に水蒸気を噴射して少し「明るく」することで、太陽光を跳ね返すのです。この方法は夙に1990年、物理学者として雲を研究するジョン・ラサム(John Latham)博士によってNature誌上で報告されていました。
海上に漂う極小の海塩粒子を雲に噴射することで雲の中の水滴が増え、雲が明るくなり、しかも平方キロメールあたり1時間400グラムの噴射で効果があるというのです。ラサム博士のこのアイデアは10年以上省みられることがなかったのですが、ようやく応用を試みる研究者が出始めてきたようです(Economist 2014年12月13日)。
初期のインクジェットプリンターを発展させた経験のある、エンジニアのアルマンド・ニューカーマンズ(Armand Neukermans)氏は、発泡性のガスを注入することでむしろ水滴を大きくして効果を上げる技術を編み出しました。彼は他の研究者と共にその効果を試す実験をすでに計画しており、あとはその予算をどのように得るかを模索しているとのことです。またハーバード大のデヴィッド・キース(David Keith)博士は、火山の噴火で生じる成層圏の硫黄が地球を冷やす事実に着目して、人口のその“もや状”のものがどのようにして太陽光を反射するのかを研究してきました。粒子が化学反応を起こしてオゾン層を破壊する危険があるため、粒子の大きさや水滴と反射との関係を調べる必要もあるといいます。
もっとも、このような地球工学的な実験そのものにも疑義が呈されています。一度実験が行われるとそれがもたらすリスクは軽視され、二酸化炭素の排出を削減する努力がなおざりにされる可能性があるというのです。また予算の獲得も難航しているようです。2013年には、気球から水蒸気を噴射する実験計画の予算が、その実験の不透明性を理由に、キャンセルされてしまいました。また海洋汚染に関する規制が新たに制定されると、実験そのものが難しくなってしまう可能性もあります。
画期的な発想であるため、これらの困難を乗り越え早く実験に移されることを期待します。
人工的な装置で地球表面の温度を下げてしまう方法が模索されているのをご存知でしょうか。海洋上に低く広がる雲に水蒸気を噴射して少し「明るく」することで、太陽光を跳ね返すのです。この方法は夙に1990年、物理学者として雲を研究するジョン・ラサム(John Latham)博士によってNature誌上で報告されていました。
海上に漂う極小の海塩粒子を雲に噴射することで雲の中の水滴が増え、雲が明るくなり、しかも平方キロメールあたり1時間400グラムの噴射で効果があるというのです。ラサム博士のこのアイデアは10年以上省みられることがなかったのですが、ようやく応用を試みる研究者が出始めてきたようです(Economist 2014年12月13日)。
初期のインクジェットプリンターを発展させた経験のある、エンジニアのアルマンド・ニューカーマンズ(Armand Neukermans)氏は、発泡性のガスを注入することでむしろ水滴を大きくして効果を上げる技術を編み出しました。彼は他の研究者と共にその効果を試す実験をすでに計画しており、あとはその予算をどのように得るかを模索しているとのことです。またハーバード大のデヴィッド・キース(David Keith)博士は、火山の噴火で生じる成層圏の硫黄が地球を冷やす事実に着目して、人口のその“もや状”のものがどのようにして太陽光を反射するのかを研究してきました。粒子が化学反応を起こしてオゾン層を破壊する危険があるため、粒子の大きさや水滴と反射との関係を調べる必要もあるといいます。
もっとも、このような地球工学的な実験そのものにも疑義が呈されています。一度実験が行われるとそれがもたらすリスクは軽視され、二酸化炭素の排出を削減する努力がなおざりにされる可能性があるというのです。また予算の獲得も難航しているようです。2013年には、気球から水蒸気を噴射する実験計画の予算が、その実験の不透明性を理由に、キャンセルされてしまいました。また海洋汚染に関する規制が新たに制定されると、実験そのものが難しくなってしまう可能性もあります。
画期的な発想であるため、これらの困難を乗り越え早く実験に移されることを期待します。
Wada : comments (x) : trackback (x)
TOP PAGE △