2016-04-21 : 23:59 : admin
こんにちは 、Wadaです。
米国でも自殺が社会問題化しているようです。米紙インターナショナル・ニューヨークタイムズ("U.S suicide rate at a 30-year high", 4月23・24日付)は特に女性と中年層(45-64歳)の自殺率が増加しているとの調査結果を報じ、団塊世代の「自己破壊的」行動が一因ではないかとの見解を紹介していました。
全米保健統計センターは22日、自殺率全体は1999年から2014年までの間24%増加し、特に中年女性と中年男性はそれぞれ63%、43%ずつ増加したとの調査結果を公表しました。全米の自殺率は1万人につき13人と1986年以来最も高く、2006年から毎年2%づつ増えており、2014年の自殺者総数は4万2773人で1999年の2万9199人に比べて大幅に増加したというのです。
自殺率が低下したグループもあります。人種では黒人男性のみが低下し、年齢層では75歳以上の男女のみが低下したようです。学歴が高卒以下の米国白人は自殺や薬物中毒、アル中などに陥りやすいことが以前から指摘されており、今回の研究結果はかかる傾向に一致するとの見解を同紙は報じます。Robert D. Putnamハーバード大教授(公共政策)によれば「貧困、希望喪失、保健衛生の相関関係を示す証左の全貌が明らかになりつつあり、今回の調査はその一役を担っている」とのことです。
考えられる原因としてはやはり経済状況の悪化が挙げられます。疾患統制予防センターのAlex Crosby博士(疫学)は経済の停滞と自殺率との相関関係を示しました。現代の米国で自殺率の最も高まった時期のひとつが大恐慌の最中の1932年で、その割合は1万人に22.1人だったのですが、これは2014年に比べ70%も高いそうです。
社会的孤立の増加も背景にあるようです。特に低学歴の米国人の間で既婚率が下がり、離婚率が上がっています。Julie Phillips教授(社会学)の計算では、2005年において未婚男性が自殺で亡くなる傾向は既婚男性の3.5倍、未婚女性の場合は2.8倍で、中年以上の離婚率は1990年代から倍増しているといいます。
他方でPhillips教授は、団塊世代の低学歴白人男性が被る社会・経済的期待感の喪失が一定の役割を果たしていると指摘します。彼ら団塊世代は「男らしさと自立独行」を価値とする時代に育ったため、絶望に直面しても他者に助けを求めず、自己破壊的になりやすいというのです。
以前から深刻な自殺の問題を抱える日本は、「ハラキリ」や「カミカゼ」など半ば揶揄を伴いながら諸外国により自死への傾向性が注目されてきましたが、先の指摘が正しいとすれば、あるいは米国にも同種の文化、というか病理が潜んでいるのではという気がしました。
米国でも自殺が社会問題化しているようです。米紙インターナショナル・ニューヨークタイムズ("U.S suicide rate at a 30-year high", 4月23・24日付)は特に女性と中年層(45-64歳)の自殺率が増加しているとの調査結果を報じ、団塊世代の「自己破壊的」行動が一因ではないかとの見解を紹介していました。
全米保健統計センターは22日、自殺率全体は1999年から2014年までの間24%増加し、特に中年女性と中年男性はそれぞれ63%、43%ずつ増加したとの調査結果を公表しました。全米の自殺率は1万人につき13人と1986年以来最も高く、2006年から毎年2%づつ増えており、2014年の自殺者総数は4万2773人で1999年の2万9199人に比べて大幅に増加したというのです。
自殺率が低下したグループもあります。人種では黒人男性のみが低下し、年齢層では75歳以上の男女のみが低下したようです。学歴が高卒以下の米国白人は自殺や薬物中毒、アル中などに陥りやすいことが以前から指摘されており、今回の研究結果はかかる傾向に一致するとの見解を同紙は報じます。Robert D. Putnamハーバード大教授(公共政策)によれば「貧困、希望喪失、保健衛生の相関関係を示す証左の全貌が明らかになりつつあり、今回の調査はその一役を担っている」とのことです。
考えられる原因としてはやはり経済状況の悪化が挙げられます。疾患統制予防センターのAlex Crosby博士(疫学)は経済の停滞と自殺率との相関関係を示しました。現代の米国で自殺率の最も高まった時期のひとつが大恐慌の最中の1932年で、その割合は1万人に22.1人だったのですが、これは2014年に比べ70%も高いそうです。
社会的孤立の増加も背景にあるようです。特に低学歴の米国人の間で既婚率が下がり、離婚率が上がっています。Julie Phillips教授(社会学)の計算では、2005年において未婚男性が自殺で亡くなる傾向は既婚男性の3.5倍、未婚女性の場合は2.8倍で、中年以上の離婚率は1990年代から倍増しているといいます。
他方でPhillips教授は、団塊世代の低学歴白人男性が被る社会・経済的期待感の喪失が一定の役割を果たしていると指摘します。彼ら団塊世代は「男らしさと自立独行」を価値とする時代に育ったため、絶望に直面しても他者に助けを求めず、自己破壊的になりやすいというのです。
以前から深刻な自殺の問題を抱える日本は、「ハラキリ」や「カミカゼ」など半ば揶揄を伴いながら諸外国により自死への傾向性が注目されてきましたが、先の指摘が正しいとすれば、あるいは米国にも同種の文化、というか病理が潜んでいるのではという気がしました。
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