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# インドの大統領のはなし1
〜「閣下」をやめたベテラン政治家大統領〜

さふらんです。11月に入り一気に寒くなりました。

11月6日付けでオサゼさん、8日付けでくーさんが書いているように今週アメリカでは大統領選挙が行われ、オバマ大統領の再選が決まりました。日本でも新聞の号外が出たりしていましたが、インドでもアメリカの在外公館が主催する選挙イベントが行われるなど盛り上がりを見せていたようです。今日のブログでは大統領つながりということでインドの大統領について書いてみたいと思います。

インドには、首相と共に大統領が存在します。実際上の最も大きな政治的権限は首相にあり、かつてこのブログでも取り上げたインディラ・ガンディーはインド初の(そして現在のところ唯一の)女性首相でした。現在の首相は白いひげとターバンにめがね、温和な表情が印象的なマンモハン・シン首相です。

一方、大統領は国家元首ではありますが、象徴的な意味合いの強い立場で、国会議員や州議会議員による間接選挙で選出されることからも、時の政権与党の意志が色濃く反映される人選となります。そして興味深いことに、ここ最近のインドの歴代大統領には多民族国家インドを象徴するような、マイノリティー出身者が多く見受けられます。例えば第11代ナラヤナン大統領は初のダリット(不可触民)・コミュニティーの出身、その次の第12代アブドゥル・カラム大統領はイスラム教徒、その次の第12代プラティバ・パテル大統領が初の女性大統領、という具合です。この流れに少し変化をもたらしたのが現在の第13代プラナム・ムカジー大統領です。今年7月に大統領に就任したばかりのムカジー大統領はインド独立以前、1935年生まれの76歳。前述のインディラ・ガンディー首相の時代には既に首相の右腕と呼ばれ、その後も外務大臣や防衛大臣等の要職を歴任してきた人物で、今回大統領になる前も財務大臣を務めていました。

自身長らく首相職を狙っていたとされるほど政治力をもった人物が大統領職に就いたことで、象徴的な意味合いをもつインドの大統領にも変化が訪れるのではないかという予想もありましたが、今のところ、大きな動きはありません。そんな中最近、一つ興味深いニュースがありました。

インドでは慣例的に(英国植民地時代の影響と言われていますが)、要人の名前に日本人から見るとやや大げさとも思える敬称を付けることが通常儀礼となっています。大統領の場合それは、”His Excellency, Hon’ble President of India Shri(氏名)” という形をとります。ShriはMr.の意味なので、その前に”His Excellency”と”Hon’ble”(Honorableの短縮)という二つの敬称がつく訳です。両方、訳すとすれば「閣下」が適当でしょうか。これに対し、ムカジー大統領は、外交上の慣習にそぐわない場合を除き、冒頭のHis Excellencyを取り払うよう命じた、と報じられています。閣下は一つでいい!と言ったかどうかは分かりませんが、確かに、こういった儀礼に関する事柄は本人がやめると言わない限りなかなかやめられない性質のことではないかと思います。大統領の記名から敬称を一つ外す、一見小さなことにも思えるこの変化が、ムカジー大統領が仕掛ける大きな変化に向けた一歩なのか、それとも過度な儀礼主義に対する素朴な反応なのか、今後の大統領の動きを注視したいところです。

さて、せっかく大統領について取り上げたので、次回は他の大統領についてももう少し詳しく書いてみたいと思います。

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