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# ウクライナ便り その19
ロシア語担当の T です、こんにちは。

ここ数日、キエフではすごく深い霧が続いています。どれくらい深いかと言いますと、家の中から10メートルほど離れた建物が全然見えなくなるほど深いです。あるいは、25階建ての建物の上の半分が山の上の城のように隠れて見えるほど深いです。こんな神秘的なキエフの街中はあまり見たことがありません。

そして、霧の中で車の運転をしているウクライナ人の勇気や運転技術の高さも評価すべきだと思いました。私も一応免許を持ってはいますが、5メートル先も見えない中、運転手さんはいったい何を頼りに運転しているのか、ちょっと想像がつきません。こんな時にこそ「勘」と書くべきでしょうけど、そうでしたら運転手たちはすごい勘の持ち主であるはずです。

もう一つ、霧と関連して思ったのは、国によって霧の発生の仕方にそれなりの特徴があるのではないかということです。例えば、(正確なことは分かりませんが)ウクライナなら3月の第一の火曜日の昼過ぎから、湿度がある程度の数値を超えた時、主に都市部を霧が覆う傾向があるだとか・・・あるいは日本の場合、晴れた春の日の夕方に田んぼとその周辺に集中的に霧ができる傾向があるだとか・・・この段落に書いたことをあまり天気予報士に見てもらいたくありませんが、「霧を通じて見る文化間の差異」なるものもいつか出来上がるかもしれません。

霧の話から離れて、少しだけ政治の話をしましょう。ウクライナ国内の様子がやっと落ち着いたかと思ったら、今度は仲が良かったはずの隣国ロシアの軍(だと思われる兵隊)がクリミア半島でいろいろ活動をしているニュースが飛び込んできました。詳しいことは日本でも報道されているのでここでは触れませんが、ウクライナ人として一点だけ、ややおかしなところを指摘しましょう。「ロシア軍の介入が検討されている(あるいは実施されている)のは、ロシアに逃走中元大統領の“依頼”によるものだ」とプーチン氏が昨日説明していましたが、それって少し論理性を欠く主張だと思いませんか。「元」大統領というのは、実際に政治力がない者で、彼の「依頼」に耳を傾けるのは21世紀の政治のやり方ではないとは思いますが・・・ウクライナ国内のことに関しては、ウクライナ人にのみ決断を委ねてもらいたいところです。


さて、今日も、最後におまけの写真を掲載したいと思います。コンパクトサイズのレーズン入りのライ麦パンです。一見普通のパンに見えますが、実のところその名は「詐欺師」です。この罪がないはずのパンのいったいどこが詐欺師っぽいのか、誰かに教えてもらいたいところです。あぁ、今一瞬、何か企んでいるように見えてきました・・・

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わたしには、焼き芋に扮しているように見えます Toko
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