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# ありのまま?で
こんにちは、くーです。 観て来ました、『アナと雪の女王』。 「子供の日だから♡」と娘にせがまれ、ただ引率の母親として、わくわく感も期待も全く無い状態で行ってきました。が、感想はどうしてどうして、ディズニーやるじゃん!! 今日は、ネタばれ にならない様になるべく本題に触れずに・・・翻訳について書きたいと思います。

当然の事のように、娘も私も、吹き替え版を観る気はさらさら無く、迷わず字幕版を観に行ったのですが、このブログを書くために色々調べていると、神田沙也加さんの吹き替え版・アナ役がかなりの好評を博しているようです。歌も、声優としても。大物俳優・歌手を両親に持つ二世としては、なんとなく鳴かず飛ばずの印象がありましたが、これをきっかけに更にメジャーになってくれそうな雰囲気です。聖子さんも一安心ですね(←つい母親目線になる私^^;)。

そう、私達が吹き替え版を観ないのは、原語で観た時に得られる味わいが薄れるからというのが大いにありました。その大部分は(申し訳ありませんが)声優を務める方の技量にあると思います(日本では吹き替え版の主役に著名人を抜擢する傾向にあるという選び方に問題があるように思います)。声だけで魅せるという大役は、通常の演技という枠を抜けられる方にしか務まらないのです。

そして、私達が吹き替え版を観なかった理由は、翻訳にがっかりする部分もあるからです。例えば、『塔の上のラプンツェル』の原題は『 Tangled 』なのはご存じでしょうか。確かに、tangled とは「絡んだ、もつれた、ややこしい」といった意味で、そのまま日本語にしたら映画のタイトルとしてふさわしいか・・・と言うと、そうではありませんもんね。しかし、tangled には、事態がややこしいのと、主人公のお姫様の髪が超長 くて絡まる、延いては、相手の男性まで巻き込んで離さないみたいな意味まで込められていると言えます。

さて『アナと雪の女王』の原題は『 Frozen 』です。ただ、「凍っている」という解釈だけに留めず、皆さんがご覧になる際には、是非この frozen に込められた意味を汲みとって頂きたいと思います。

また、この映画は主題歌・挿入歌も見どころで、観客が一緒に唄ってもいいとされる「sing along version」なるものまであるそうです。
(1)  http://www.youtube.com/watch?v=bvvxdie1F5k

日本人がそういったノリに馴染めるかどうかはさておき、翻訳を生業としている者としては、字幕版に出ていた歌詞の翻訳には頷けました。
(2)  http://www.youtube.com/watch?v=V9JJyztJLLA

一方、松たか子さんや、May J. さんがカバーしている歌詞には納得のいかない箇所が多々ありました。
(3) http://www.youtube.com/watch?v=cvj3-MZO9Tw
Let it go! を「ありのままで」とした所はいいけど・・・と思い、再度、映像と合わせて見ていると、なんと女王の口の動きと絶妙に合っているではありませんか! (2)の歌詞は正確ですが、そのまま吹き替えて歌うと鑑賞していて違和感を覚えると思います。現に、口の動きが見えるシーンでは「ありの〜ままの〜」と、Let it go! Let it go! の口の動きと同調するように更に工夫されているのです。翻訳という意味では「ありのまま」ではないわけですが、なんと言う知恵とセンスでしょうか、高橋知伽江さん。

私的には、中盤と最後に出てくる「The cold never bothered me anyway」は、女王が啖呵を切って言うセリフなので、(雪や氷を自由に操れる魔力を持っているのだから)「どうせ寒さなんて堪えないし。」という意味合いを出して欲しかったですが、確かに音にも口の動きにも合いません・・・。

最後に、同じ歌を25ヶ国語でお楽しみ下さい。
(4)  http://www.youtube.com/watch?v=6Qk5Fc1Vdqk
最初のサビは日本語訳が飾っています!!

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* * *

『 Let It Go 』、聴き出すとやみつきになります。。25ヶ国語版で、中国語には普通話と広東話があり、スペイン語ではラテンアメリカ向けとカスティージャとカタルーニャがあり、フランス語もカナダのフランス語(ケベッコワ)も用意されているところからも地域密着で配給されていることが分かりますね。Toko
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